2017.03.15 02:33ずっとお城で暮らしてる少女の無垢さが、不気味だったりグロテスクだったり邪悪だったりする何かと融合して、渾然一体になっている小説なり映画なりが大好きだ。例を挙げるなら、ピーター・ウィアー監督の『ピクニックat ハンギングロック』、ヤロミール・イレシュ監督の『ヴァレリエの不思議な一週間』(これにはすごい邦...
2017.03.08 08:52ELLE MARIAGEELLE MARIAGE No. 29 で本の紹介をしています。仲直りのための本、ラブラブ度を高める本、長い人生楽しくやっていくための本、3冊をピックアップしました。人様の幸せに水を差してはいけないと気負い、ちょっと真面目に書き過ぎてしまった感がありますが、紹介している本はいつも...
2017.02.25 09:23氷Fire and Iceby Robert Frost Some say the world will end in fire,Some say in ice.From what I've tasted of desireI hold with those who favor f...
2017.01.26 13:00アウステルリッツレアード・ハントの『優しい鬼』を読んで、最後の方の展開とか、「あー、なんか、これゼーバルトっぽいなあ」と思っていたら、なんと本当にゼーバルトの影響を受けていたと訳者の柴田元幸さんのあとがきに書いてあって、「自分すごい!」と思ったけれど、誰に言ったところで、ふーん、なのでこうやって...
2016.12.15 08:09読書狂時代 VOL. 4TOKYO WISE での連載、『読書狂時代』が更新されました。タイトルはもちろん、レイモンド・カーヴァ―の『頼むから静かにしてくれ』のオマージュ。割と真剣にミランダ・ジュライの新作 FIRST BAD MAN(『最初の悪い男』)について語っております。やはり「おちんちん」はOK...
2016.12.08 10:52むずかしい年ごろ「ゴーゴリ―、ブルガーコフの怪奇・幻想の系譜を継ぎながら、現代の恐怖を斬新に描き、ロシアを震撼させた女性作家登場!」というコピーと、美しく不気味なおおたはるかさんの装画に魅かれて購入。我ながら、河出書房新社の担当者の手のひらに転がされてる感半端ない本の選び方……。『むずかしい年ご...
2016.11.08 11:35独白するユニバーサル横メルカトル死体は週に一回の割合で運び込まれてきた。俺はその都度、奴らを解体し、生で使用する部分とシチューやカレーにする部分とに分けていった。生食するのは肉に残っているミネラルなどを補給するためだという。内臓は特に指示がない限りはディスポーザーに捨てた。オメガの食欲は凄まじく、人間ひとりをほ...
2016.10.26 04:27NEXT WEEKEND単なる文学オタクの私が出てしまって大丈夫だろうか、と一瞬不安になるぐらい素敵な雑誌に寄稿させて頂きました。とっておきの『本を読む場所』を紹介しております。一軒は本当に紹介したくないぐらいに好きな場所です。他の一軒も素敵だけど遠く、もう一軒は前にも別のことろで紹介したけれどまだ足り...
2016.10.26 04:19イン・ザ・ペニー・アーケードミルハウザーと同じぐらい、ミルハウザーが好きな自分も好きで、それは何故だろうとずっと分からないでいた。魔術師、百貨店、機械人形、移動遊園地など、ミルハウザーの描く一種怪しげで魅惑的な世界に魅かれていたのはもちろんなのだけど、決してそれだけじゃなくて、なんだろう自分という存在の根幹...
2016.10.12 15:07Marisol 11月号Marisol 11月号にて、本の紹介をさせて頂いております。その名も、『オノマトペで選ぶ女の読書案内』。ファッション誌にも関わらず、容赦なくハードコアな本をチョイスしていますので是非読んで下さい。アンチエイジングは心にも必要、と思う今日この頃。
2016.09.26 09:08『アッシャー家の崩壊/黄金虫』ポーは謎だ。といっても、孤高の天才という単純なイメージからそう思うわけではない。あらゆる文学ジャンルに足跡を残す天才型でありながら、同時に、世間のニーズに眼鼻の利く職業人的文筆家(かつ編集者)でもあることが謎。さらにいえば、ロマン主義の系譜を引く作品を多く生み出し(しかもフランス...
2016.09.26 08:56アレクサンドリア四重奏I:ジュスティーヌ本とカレーをテーマにしている Instagram のカレー率が大きいため、本仲間と顔を合わせるたびに「最近、本読んでないの?」などと聞かれるのですがこの夏はひたすら『白鯨』を読むということをしていて、ただ今二巡目。ナボコフ・マラソンもゴールが見えて来て、今年の読書は量より質的な感...