2019.01.21 00:33明治という国家私事ながら、中学生の頃に「燃えよ剣」に出会って以来、司馬遼太郎氏のファンです。その本を読んでからはすっかり”歴史好きのちょっとオタク気味な女の子”に変貌、大学は史学科に進路を決めてしまうほど。すべての著作を読んだわけではないけれど、多くの司馬作品を読んできたわたしが何度も読み返し...
2018.11.18 09:17国宝今年読んだ本、いや、近年読んだ本の中で自分史上ベスト3に入る一冊になったことは間違いない。『国宝』というストレートなタイトルとやたら熱を帯びた書店員絶賛の帯コメントに感化され読み進めていくうちに、すっかりこの作品の匂い立つ「色香」と「情熱」に魅了されていた。物語は、東京オリンピッ...
2018.10.13 03:46日日是好日「お茶」が教えてくれた15のしあわせ「お茶って、なにが面白いの?」よく言われます。そのたびに詰まってしまう。茶道をはじめて約8年、初心者でなく中級レベルなのに全然できない。お点前の手順は忘れるし、紐の結び方とか覚えづらいし、季節によってお道具が変わったり袱紗捌きが変わったりしていつもパニック。ある意味、すぐにわから...
2018.09.26 08:56シカゴ育ち寒い雪の日に決まって読む本がある。スチュアート・ダイベックの『シカゴ育ち』だ。私の書架にある「もはや何回読んでいるか分からない本セクション」の中の一冊で、カバーは擦り切れ、ページも若干黄ばんできてしまっているような状態なのだけど、そんな本こそたまらなく愛おしく感じてしまうのは、「...
2018.09.22 13:23心に残る人々「白洲正子」という人物を知ったのは、戦後史を調べていた時、夫の白洲次郎氏を知ってから。維新を生き延びた薩摩の軍人樺山資紀を祖父に持ち、父は実業家で貴族院議員という深窓の令嬢でありながら、当時の女性としては珍しく海外渡航経験者で白洲次郎氏とは恋愛結婚。小林秀雄や青山二郎ら戦後日本を...
2018.09.05 09:11いなごの日/クール・ミリオン:ナサニエル・ウエスト傑作選フィリップ・ロス『素晴らしいアメリカ野球』が文庫で復刊した。うれしい。元は集英社から出ていたが、今度は新潮文庫。「村上柴田翻訳堂」というシリーズの一冊だ。ザラッとした質感のスカイブルーのカバーで統一されたこのシリーズは、全部で10タイトルあり、累計発行部数は20万部を超えているそ...
2018.08.22 06:48すべての見えない光「本を読む意味なんてないんだよ」と、ちょっとカッコつけた感じで言ってきた人がいて、もちろん私は「そうなんですか」なんて言いながら愛想笑いをしていたけど、心の中では「ああ、こいつダサいな」と心底うんざりしながら思っていた。人が情熱を持ってしていることを意味がない、と言ってしまう時点...
2018.08.21 10:24あひる今村夏子の二冊目の単行本『あひる』には、表題作と書き下ろしの二篇が収録されています。芥川賞にノミネートされた「あひる」の初出は、福岡の文芸誌「たべるのがおそい」の創刊号で、五大文芸誌以外からの同賞候補ということでも話題でした。残念ながら受賞は逃しましたが(受賞作は村田沙耶香「コン...
2018.06.03 12:15菜食主義者ハン・ガンに夢中だ。人にはあまり言わないけれど、私の中の大きな小説の良し悪しの判断基準は、自分で書けそうか、書けそうかじゃないか、というもの。「これは書けそうだな」、というものもあれば、「これは無理だけど書けそう」とか、「書けなさそうだけどもしかしたら書けそうとか」、めんどくさい...
2017.11.04 04:26NEXTWEEKEND「次の週末に叶えたい、理想の生活」を提案する雑誌、NEXTWEEKEND で「旅に出たくなる本」を紹介させて頂きました。「旅先で読みたくなる本」はすぐに浮かんだのだけど、「旅に出たくなる本」って結構難しく、なぜだろうと考えてみたら本を読んでも読まなくても、常に旅に出たいからだなと...
2017.09.06 14:40読書狂時代 VOL. 5TOKYO WISE での連載、読書狂時代がアップされました。テーマは『本とカレー』! 得意分野で真っ向からのストレート勝負です。って、誰とも、何とも戦ってないけど。毎日のようにカレーを食べている私ですが、最近やっと自分の趣向が分かってきて、それは『日本人が作るオリジナルの日本カ...
2017.08.21 09:17宇治拾遺物語町田康といえば、犬。バンドの犬。犬といえば、昔、町田康はステージ上でよく◯を殺してたという噂話を年上の友人から聞き、ああ、なんかそういうタイプの人間心から嫌だなあと悍ましく思っていて、今村夏子の『こちらあみ子』の受賞会見の時も ↓ のようなやりとりがあったらしく 米:受賞会見がネ...